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日本語構造の不可解さに辟易😥

  • t-kobayashi58
  • 9月3日
  • 読了時間: 2分

私たち翻訳会社では、日本語から外国語に翻訳するときに、日本語の意味が理解できれば8割方翻訳は完了できた、と考えています。代表的な4つの日本語の構造的欠陥は以下ではないでしょうか?


1.法律文によくあるパターンですが、文の骨格となる主語と述語が離れすぎていて、そこに条件節が複数重なり、修飾語も複数階層に入り込み、文章は長大、構造は複雑怪奇となり、もはや主語と述語の組み合わせを追うことが人間の頭では不可能になるケース。


2.そもそも主語がなく、書類の発行者さえも分からず、行為の主体が誰なのかどこにも書いていないケース。主語の欠落によって責任の所在を曖昧にさせる意図があるのではと勘繰りたくなります。翻訳する場合も同様に受動態にして主体を書かないという技(間違った解釈、誤訳につながるよりは原文に忠実)で乗り切ります。


3.登記簿の目的などによくあるパターンで、修飾語の後に名詞が2つあり、修飾語が何を指しているか正解がないケース。(例:緑の丘の上の家。丘が緑なのか、家が緑なのか??)書き方の工夫で防げるはずですがそういう文章があまりにも多いのも事実。翻訳会社としては、その会社のWebサイトを確認してできる限り業務内容を把握して原文を解釈します。


4.助詞が省かれた名詞+名詞の構造で、例えば「配当控除」は「配当に対する控除」なのか「控除された配当」なのか、言葉だけをみればどちらとも取れてしまいます。この場合日本の制度的には前者が正解なのですが、それを調べるのに多大な時間を要し、外国語ネイティブ翻訳者が日本の制度の理解した上で翻訳するのはもはや無理ですね。日本語は漢字でコンパクトに表に入れ込むには適していますが、往々にして省略しすぎの場合が多いようです。


このような事例と日々接していると、つくづく公文書というのは、自分たちの内部資料という位置づけであり、国民に「わからせる」のは二の次になっているのではと感じます。

私たち校閲チームは、日本の法制度、日本語の言語特性などの背景から知る必要があり、日々勉強になります🙇‍♂️

 
 
 

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