私たち校閲チームは日々ジャパニーズイングリッシュと格闘していると言っても過言ではありません。日本の公文書にも平然と現れるジャパニーズイングリッシュ。これはEnglishではなくイングリッシュ風ジャパニーズな訳ですね。
例えば会社登記簿などに出てくる「タレントの育成」。これは子供の英才教育をする訳ではなく、日本人であれば何となく意味がわかりますが、これを英訳するとき違う単語をあてがうのは勇気のいるものです。promotion of entertainersくらいが妥当でしょうが、そもそも日本語独自の「タレント」に相当する英語がない、翻訳の限界と言える、また機械翻訳ではできない、最も翻訳の面白いところでもありますね。
もう一つ上げれば「自動車のデザイン、設計」。design and design of automobiles? いや、日本語の「デザイン」は意匠の描写、「設計」は構造的または機械的な計算と言った方が近いかもしれませんね。単に「設計」であればdesignだけで構いませんが、あえて2つ書いてある場合は、弊社では2つに訳し分けます。design of automobile exterior and structureくらいでしょうか。
意訳が過ぎると長くなりすぎますので、そのさじ加減こそ、私たちの日々の仕事なのです。
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